3. 人工地盤の特長

 

人工地盤は、桟橋や海上滑走路などの港湾・空港施設および低中層住宅の基盤などに利用されています。この人工地盤を、今回被災した地域の復旧・復興にあたって、 「安心・安全な生活」 を実現するために建設します。


この人工地盤は、硬い地盤まで到達させた杭を用い、住居などの建物の基盤をかさ上げした土木構造物です。かさ上げ道路・鉄道などと接続して広く生活圏を整備することが可能です。

 

(1)人工地盤の安全性


 人工地盤の設計は、関係法令や基準に配慮して構造的に余裕のあるものにします。それにより、想定される地震や津波に対して耐えることができる安全な構造物となります。

津波発生時には、安全な避難路・避難場所にもなります。

建設された人工地盤は、点検・メンテナンスを行うことで、人工地盤の安全性が維持できます。

 

(2)人工地盤による生活環境の変化
人工地盤は、今まで生活してきた土地に建設することができるので、高台移転と比べて生活環境を大きく変えることはありません。

人工地盤は、ブロックのように繋げることができるので、地域の規模に応じた建設が可能です。

 

(3)環境負荷
 人工地盤は、森林の伐採や大規模な土地の造成を行う必要がありません。
現在の自然を可能なかぎり壊さずに建設できる「自然環境に優しい構造物」です。

 

(4)建設のための期間・コスト
人工地盤は、設置場所や合意形成等の条件によって異なりますが、条件が整ったところから素早く着手することができます。
人工地盤は、工場生産による部品化と現地組立とに分けることができるため、建設を効率的に行うことができます。